遠山記念館

遠山記念館

川越の隣川島町の、のどかな田園地帯にある「遠山記念館」。敷地面積は9,200㎡(約2,800坪)で、2年7ヶ月をかけ昭和11年に完成した見事な邸宅(登録有形文化財)と庭園に美術館が併設されています。

遠山記念館邸宅は川島町出身である日興証券創立者遠山元一が、幼少期に没落した生家を再興し、母美以の住まいとするために建てたものです。
その母亡き後も使用されていましたが、遠山元一の集めた美術品を広く一般に公開するために、敷地内に美術館を付設し、昭和45年に「財団法人遠山記念館」として開設されました。美術品は現在では約1万4000点所蔵されています。

遠山記念館邸宅東棟・中棟・西棟で構成されたその邸宅は見事という他ありません。選び抜かれた数々の銘木や昭和初期の職人の高度な技術ゆえに、どれ程の予算を持ってしても現代では再現不可能と言われています。

天井

天井天井は部屋ごとに違う素材と技術が用いられ、様子が全く違います。

埋め樫の敷居敷居は段差のないバリアフリーの状態。ケヤキとカシで造られ、「埋め樫」と言ってケヤキの間にカシを鼓型にして埋め込んであります。

四方に正目の2階までの通し柱、床柱は杉の木がそのまま1本使用されています。ツタが撒きついて太れない絞り丸太の杉で、天然のものは非常に珍しく、この杉の床柱だけで家が一軒建つほどの価値があるのだそうです。

絞り丸太の床柱のある部屋その他にも内玄関の床や外壁など、到る所に職人の技が見受けられ、手抜かりが全くありません。
内玄関

財に物言わせてというのではなく、良い材料と良い技術にこだわり、全国から腕のいい職人が、腕の見せ所と言わんばかりにこぞって集まったそうです。
所々に洋の雰囲気も感じられ、多くの美術品をコレクションしていた遠山元一という人の美意識の高さが非常に感じられます。

庭園常時一般公開されているのは1階だけですが、中棟にある2階は和洋折衷の空間が広がり、1階とはまた違った雰囲気を味わえます。2階も日時を限って特別公開されています。

毎月1回「投扇興を楽しむ会」も邸宅内で催され、邸宅を見るだけとはまた違った楽しみ方が出来るのではないでしょうか。

「投扇興を楽しむ会」5月の日程はコチラ

英一蝶と「布晒舞図」江戸絵画名品展美術館は年に数回展示品が入れ替わり、その季節に合わせた美術品をゆっくりと鑑賞することが出来ます。
現在は遠山記念館の名品とされてきた英一蝶筆「布晒舞図」が国の重要文化財に指定されたことを記念して【重要文化財指定記念 英一蝶と「布晒舞図」江戸絵画名品展】が開催されています。(5月24日まで)

ぜひ足を運んで下さい。そして今ではなかなか手に入らないような銘木や職人の繊細で趣向を凝らした素晴らしい邸宅と世界各地の美術品を、ゆっくりとじっくりと味わってみて下さい。

財団法人 遠山記念館

住所:埼玉県比企郡川島町白井沼675
TEL:049-297-0007
FAX:049-297-6951
開館時間:10:00~16:30(入館は16:00まで)
休館日:月曜日(祝祭日の場合は開館、翌日休館)
    展示替期間(美術館)
    5/26~29・6/30・8/4~31・10/20~23・11/20
    年末年始12/21~1/7
入館料:大人700円(560円) 学生500円(400円) 中学生以下は無料
   ※( )内は20名以上の団体料金(要予約)
アクセス:東武東上線・JR川越線川越駅/西武新宿線本川越駅/JR高崎線桶川駅
     いずれも川越駅-桶川駅間の東武バスで牛ヶ谷戸下車徒歩15分
     関越道川越ICより30分、または圏央道川島ICより5分
遠山記念館ホームページ

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