NAGASAWA IN KAWAJIMA【終了】

NAGASAWA IN KAWAJIMA

7月18日(土)から9月23日(祝)まで、埼玉県の3会場でミラノ在住の世界的彫刻家・長澤英俊氏の「長澤英俊展」が開催されます。川越市立美術館・埼玉県立近代美術館では「オーロラの向かう所」、川島町の遠山記念館では「夢うつつの庭」と題し行われます。

NAGASAWA IN KAWAJIMA長澤氏は川島町で育ち、県立川越高校を卒業された川越にもゆかりのある方です。

6月23日(火)から設営の始まった遠山記念館に伺って来ました。そこで長澤氏にお会いし、お話をお伺いすることが出来ました。

製作中の様子

ちょうど遠山邸入り口左の和室で、6枚の羽を持つ天使をイメージした彫刻の製作が終わるところでした。



製作中の様子
遠山記念館の「長澤英俊展」は他の2会場とは少し趣向が異なります。
川越市立美術館・埼玉県立近代美術館では、すでにある作品をイタリアから運んで展示するのに対し、遠山記念館の作品は長澤氏が遠山邸のためにイメージし、ドローイングしたものを基に、一つの素材を除いてすべて埼玉県の、特に川島町の職人さんが中心となって、彫刻に必要なパーツ作りを進めてきました。

長澤英俊氏遠山記念館でこの彫刻展を開催するのには、遠山邸を建てた遠山元一氏のお孫さんで、慶応大学教授で西洋美術史家の遠山公一氏との偶然の出会いがあったのだと言います。日本で行われた長澤氏の「京の町家」展を見た遠山公一氏が、遠山邸でも彫刻展をと長澤氏に依頼されたのですが、遠山公一氏は遠山記念館の理事長をされている方、長澤氏は川島町で育った方で遠山邸の存在も子供の頃から知っていた。最初はお互いにそのことを全く知らずに出会ったのだそうです。

舟底天井に舟の彫刻休憩の合間、葉巻をとても格好良く吸いながら、気さくにお話を聞かせて下さいました。

そんな何か「縁」を感じることから決まったこの彫刻展は、設営には遠山邸が国の登録文化財のため、釘が一本も使われていません。

釘を一本も使わずに吊るします

天井から吊るすものはこのようにジャッキで留められています。床にも置くことが出来ないので、ならばと展示予定の一部屋の畳を総張替えしてアートにしてしまいました。

6枚の羽の天使どの作品も、バランスが素晴らしいです。どんな風に留まっているのか不思議でなりません。その緻密に計算されたバランスは見事と言う他ありません。
そして遠山邸との調和。圧倒的でありながら、以前からそこにあったかのように全く違和を感じさせない存在感。

ふすまを彫刻に

遠山邸で展示される彫刻はこの期間だけしか見ることができません。終了後はすべて取り壊されてしまいます。遠山邸のイメージから作られた作品は遠山邸でしか意味をなさないもの。それが良いのだと長澤氏は話されます。

7月18日(土)から始まる「長澤英俊展」、川越市立美術館・埼玉近代美術館ももちろんですが、遠山記念館の「NAGASAWA IN KAWAJIMA-夢うつつの庭-」にもぜひ足を運んで下さい。そして、バランスと調和の感動、長澤英俊氏の彫刻の素晴らしさを感じて下さい。

遠山記念館

NAGASAWA IN KAWAJIMA
-夢うつつの庭-


NAGASAWA IN KAWAJIMA開催期間:2009年7月18日(土)~9月23日(水・祝)
開館時間:10:00~16:30(入館は16時まで)
休館日:月曜日・7月21日(火)
     ※7月20日(月・祝)・9月21日(月・祝)
観覧料:一般700円・大高生500円・小中学生無料
    団体20名以上は割引
問い合わせ先
遠山記念館
埼玉県比企郡川島町白井沼675
TEL:049-297-0007
FAX:049-297-6951
ホームページ

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