「おすぎのシネマトーク」報告
8月7日(金)、スカラ座で「おすぎのシネマトークin川越」が開催され、会場にお邪魔しました。
前売りチケットの124枚は完売!
私自身も、取材させていただく身とは言え、とても期待膨らむ待ちに待ったイベントでした。
当日はあいにくの雨でしたが、みなさん雨などものともせず、スカラ座の客席はどんどん埋まって行きました。
予定時間の10分ほど前から、客席の前に立ったおすぎさんは「“川越時間”ていうのがあるのかしらね~」と言いながら、時間を待つお客様にサプライズのトーク。
お客様を楽しませようというサービス精神の素晴らしさに、
開演前から引き込まれてしまいました。
日本映画はつまらないというおすぎさんの毒舌!?から始まり、本当はテレビで言いたいけれど言えないということや、映画評論家になったいきさつなど面白おかしく話してくださり、
1時間のトークショーは終始笑いが絶えませんでした。
おすぎさんは最近は若い人が映画館に行かないということや、昔と比べて学校で映画を見せる機会がほとんど無くなってしまったことをとても残念がっておられました。
そしてなぜ若い人は白黒の映画を観ないのか、と。「白黒の映画を観ないことはつまり名画を観ないということ」で、「昔は学校で映画(名画)を見せてくれて、それがどんなに素晴らしいかわかった」とおっしゃいます。
白黒の映画は「観ているうちに色が出てくる」、そうした名画の素晴らしさを知らずして「本当に映画が好き、とはなかなかなれない」と。
今の学校では、映画館に子供たちを連れて行くのに危険が伴うとか、何を見せるか強要してはいけないなど、さまざまな制約があり、
子供たちに名画と言われるような映画を見せることはなかなか難しいようです。
情報の氾濫する現代で、取捨選択をするのは大人であっても難しいことです。ましてや子供なら言うまでもないことと思います。それならば、子供がきっと選ばないであろう名画を子供に見せることのできるのは、強要でも何でも大人の役目ではないか?と感じました。
おすぎさんは「小さい時に映画(名画)を観たという記憶が大人になってからも繋がって行く」とおっしゃいます。
子供の頃映画館で映画を観た記憶、素晴らしく感動した映画を観た記憶って、大人になってからの記憶よりはるかに鮮明に覚えていたりしませんか?
その記憶がもしかしたら感じる心を養い、本当に良い映画を観る力を育み、人生を豊かにしてくれる一つになるかもしれないと思いました。
おすぎさんは好き・嫌いがはっきりしていて辛口のトークで有名ですが、そのトークには愛情が溢れていると実際にお話を伺って感じました。映画に対して人に対して愛情を持って真面目に対峙しているからこそ、そのはっきりした物言いは聞いている者にとって、非常に小気味よく感じられるのだと思いました。
1時間立ちっ放しで、時には客席に近寄って話をしてくださったおすぎさん。本当に素晴らしいトークショーでした。
私自身ももっとたくさんいい映画を観ようと思えましたし、これからもスカラ座におすぎさんが来てくださることを願わずにはいられません。多くの方々におすぎさんの話を聞いていただきたいと思いました。
現在スカラ座で上映中の「MILK」、おすぎさんも絶賛されていました。あのショーン・ペンが!と思うほど、爪の先まで同性愛者を見事に演じ切っているそうです。演出も脚本も文句なし。何かを考えるきっかけになる映画だとおっしゃっていました。
スカラ座での上映は8月21日(金)までです。ぜひご覧になってください。
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