いのちを食べるをかんがえよう!(記事)

パネルディスカッション去る2月28日(土)、川越スカラ座でこの日まで上映されていた映画「ブタがいた教室」の上映記念のパネルディスカッションがありました。サイボクハム社長の笹﨑静雄氏と川越市立大東西小学校教諭の白根彰人氏をパネリストに迎え、この映画の主なテーマである、小学校の1クラスで飼い続けたブタを「食べる」か「食べない」か、に基づいて「いのちを食べるをかんがえる」ディスカッションがなされました。


事前アンケート結果皆さんなら、飼い続けたブタを食べますか?食べませんか?事前のアンケート結果では、80名のうち「食べる」が55名、「食べない」が25名となっていました。館内に張り出されたアンケート結果を見ると、どちらの意見もうなずけます。自分ならどうするだろうとなかなか結論は出ません。60名以上の方が来館され、皆さん真剣に聞き入っていました。


ブタは嗅覚が優れ、匂いや足音で飼い主が分かるのだそうです。この映画にはサイボクハムで飼われているブタが9頭登場しましたが、映画になる前、そのドキュメンタリーを見ていた笹﨑氏は、サイボクハムのブタを映画に出演させることをすぐにOKしたのだそうです。「学校で命を見る経験は大切なこと。命に向き合える。」と。


ディスカッション風景サイボクハムには「畜魂碑」があります。やはり飼っていれば情が移ります。価値ある肉を作ってくれたブタの命に感謝し、ブタを供養するためのものだそうです。「丁寧に飼わなければいいブタは育たない。ブタに敬意を払わなければ決して美味しいものは出来ない。」と笹﨑氏は言います。「命の原点は同じ。」この言葉がとても印象的でした。「限られた命があるからこそ、それを大切に扱いたい」と。


白根氏は、実際に今の学校では、映画のように1クラスだけで実践教育を行うことは難しいとしながらも、食べ物に対しての感謝の気持ちをどう子供達に持たせるかを、小学校でのトマトやさつま芋の栽培や給食週間などの取り組みを交えながら話されました。
「命というテーマはすぐに結論が出るテーマではない。結論が出なくても、それを通じて子供達が命の尊さを考え、話し合うことが大切。その話し合いの中で、他人の意見も認めつつ、その上で、どうすれば良いか、新たな意見を生み出して行くその過程が重要。」


まきばの湯抽選会その後客席からの質問があり、話は学習指導要領にまでも及びました。食に関するニュースが頻繁に取り沙汰される昨今、「食」に対する関心は皆さん非常に高いようでした。最後にはサイボクハムの「まきばの湯」のペアチケットが当たる抽選会が行われ、和やかな雰囲気の中、終了となりました。


「いのちを食べるをかんがえる」ことは、自分の「いのち」についても考えることに繋がるのではないでしょうか。人間もあらゆる生き物と共に自然の摂理の中で生きていて、その生き物の「いのち」によって私達人間は生かされ、「いのち」をいただくから私達の「いのち」があり、私達の中で「いのち」は循環しているのだと考えさせられました。笹﨑氏の言葉を借りれば、それを考えられるかどうかは「人間の品性」の問題なのだと思います。子供達が実際に映画のような経験をして考えるのはなかなかできることではありません。それならば日常的に子供達に「食べる」ことを通して「いのち」の大切さを教え「人間の品性」を育てるのは大人達の大切な役割なのではないでしょうか。

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