花処　花白

川越市役所の向かい側に｢花処　花白(はなしろ)｣という花屋さんがあります。昨年の9月オープンしたお店です。
実はこちらのお店は一般的な花屋さんとは少し違います。お店も一見しただけでは花屋さんとは思わない方も多いと思います。
お店の中にある花はすべて花瓶に飾られています。｢売られている｣というより｢飾られている｣のです。

その数も他の花屋さんと比べて圧倒的に少ないです。それはなぜかと言うと、｢想いを届ける花屋｣としてお客様から注文を受けてから花を仕入れるからです。

オープンした時は花も観葉植物も沢山置いてあるお店だったそうですが、お客様が花を誰かに贈ろうとする時、その花に込められるお客様の思いを大切にしたいと、お客様の大切な人だけのために花を仕入れることにしたのだそうです。

誰かに贈り物をするとき、色々な選択肢がある中で、なぜお客様が花を選んだのかを考え、その思いを花がメガホンのような役割を持って、贈られる方に届くように、お客様の思いを最高の花を通じて最大限に伝えたい、とお店のオーナーの高橋さんは言います。
お客様に喜んでもらうためには、買ってもらいやすいように質の低い低価格な花を大量に置いて販売することが、必ずしも最良とはいえないのではないか？という思いに至ったそうです。

高橋さんは、花も1本1本表情が違っていて、それを｢一花一葉｣と表現されていました。花にもそれぞれ個性があり、その個性を最大限に生かすために、花に洋服を着させてあげるようにより美しくコーディネートしてあげるのだそうです。
最大限に美しさを引き出された花だからこそ花を贈る人の思いを最大限に伝えられるということなのだと思います。

1本のチューリップによってその説明をして下さったのですが、そこに添えられる葉の種類によって、どんどんチューリップの表情が変わっていくのがわかりました。花を贈る側の気持ちに沿った花の美しさ、これならば本当に思いを伝えられると思いました。

花白さんは基本的に注文を完全予約制にしていて、ゆっくりじっくり要望を聞きながら、思いに合ったイメージで仕入れて創作して下さいます。ですから、他の花屋さんよりも花が出来上がるまで、少し時間がかかりますが、きっと思い通りの花が出来上がると思います。

また予約がなくても、そのとき一番輝いている花で仕上げてくれたりもするので、時間が無い方は相談してみて下さい。

お店に飾られる花たちも、花瓶などとのトータルコーディネートで販売してくれるので、その花の魅力が生かされたまま購入することも可能です。

鉢植えの観葉植物も、花と同様、イメージに合ったものを創って下さいますし、飾る場所なども考慮して色々とアドバイスしてくれます。

私も、相談しながらこちらを購入してきました。
今回はお店に飾ってあったものから選んだのですが、今度は1から相談しながら創ってもらいたいと思います。

取材に伺った時に｢家にある花瓶を持ってきて、家に飾るために花をコーディネートしてください、というのはどうでしょう？｣とお話したところ、｢ご家族を喜ばせることになりますね｣と賛同してくださいました。
お近くにお住まいの方は花瓶を持って行って、家に飾る花をコーディネートしてもらってはいかがでしょうか。

高橋さんとそして一緒に働いておられる奥様とお話をしていると、今までとは違った視点で花を見ることができ、とてもわくわくしてきます。
実はお店は｢手作りほど温もりの出るものはない｣と高橋さん自らが内装を施したのだそうです。
温かで心が和む空間です。
ぜひ皆さんもそんな｢花処　花白｣さんで大切な人に思いのこもった花を贈ってみてはいかがですか？