「ディア・ドクター」西川監督舞台挨拶

西川美和監督舞台挨拶みなさん、現在川越スカラ座で上映されている「ディア・ドクター」を、もうご覧になったでしょうか?
この映画は、前作「ゆれる」が高い評価を受け、今日本で最も注目される若手監督の一人、
西川美和監督の3作目となる作品です。

10月3日(土)、その西川美和監督がスカラ座に来館され、トークショー形式での舞台挨拶が行われました。

西川美和監督舞台挨拶多くの観客が詰めかけ、スカラ座はほぼ満席でした。

子供のころから映画に憧れ、映画に何かしら関わる仕事がしたいと、大学在学中から是枝裕和監督の作品にスタッフとして参加したのだそうです。
西川監督は、観客から「どうしたら西川監督のようにかわいくなれるのか」と質問が挙がるほど、小柄でかわいらしく、とても素敵な方でした。

原作・脚本・監督を一人でこなすパワフルさはどこに隠されているのだろうと思ってしまうほどです。そして的確な言葉と表現を用い、はっきりとした口調で話されるのが非常に印象的でした。

西川美和監督「ディア・ドクター」を作るにあたり、過疎地の医療問題に切り込んだのは、過疎地での事件を取り上げた、ある新聞記事がきっかけだったそうです。
世間から取り残されてしまった土地(過疎地)には、その土地に住む人たちだけで出来ているルールがあり、そのルールを法律でばっさりと切ってしまうのは、逆にそこに住む人たちを不幸にしてしまうのではないか、ということを西川監督はおっしゃっていました。

そしてご自身の体験から感じたことをテーマに据え、この映画を作ったと話されていました。
テーマについては、映画の内容がわかってしまうので省略しますが、西川監督は洞察力鋭く、そして客観的であり、物事のグレーの部分のあいまいさを、言葉として描写として浮き上がらせることの出来る、才知溢れた方だと思いました。

COEDOビールを贈られる西川監督言葉のやり取りにコミカルな場面あり、シリアスなシーンあり、最初から最後まで、全く飽きることなく惹きつけられる映画です。
間というのでしょうか、文章で言うところの行間の取り方が絶妙で、観客に何かを感じさせる余地を残してくれます。

舞台挨拶の最後には西川監督にCOEDOビールが贈られました。「飲んでみたかった」と嬉しそうに笑顔を見せられ、それがまた大変魅力的でした。

まだ「ディア・ドクター」をご覧になっていない方はぜひご覧になって下さい。スカラ座での上映は10月9日(金)までですから、どうぞお早めに!

古き良き小江戸川越の街並みを探索してみませんか?

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