川越唐桟(とうざん)

これ、何だと思いますか?実は名刺入れです。
素敵だと思いませんか?

私が使っているものなのですが、「川越唐桟(かわごえとうざん)」という織物で作られています。
蔵の街一番街にある「かんだ」という呉服屋さんで見つけました。

唐桟は元々ポルトガル人がインドから日本に持ち込んだ綿織物でした。織物が盛んだった川越でも「川越唐桟」として江戸時代末期から昭和初期まで作られていました。シンプルでエキゾチックな縦縞模様が、粋を好む江戸の人々に特に受け入れられ、「川唐」と呼ばれ人気を博しました。ですが時代の流れで和服から洋服へと人々の服装が変化していくと、川越唐桟も衰退し、昭和初期には消滅、「幻の織物」となってしまいました。


それを復活させようとしたのが昭和61年に発足した「川越唐桟愛好会」の方々でした。
また、川越唐桟は当時手織りでしたが、入間市の西村織物さんが機械織で製品化(現在は生産されていません)してくださいました。
私の使っている名刺入れは「川越唐桟愛好会」の方の手作りです。ぬくもりがあって、シンプルでとても気に入っています。


名刺入れの他にも、小物入れやポーチや手ぬぐい、箸入れなど、昔のように着物という形でなくとも、川越唐桟を手にすることが出来ます。こういった川越唐桟の小物類は、呉服屋さんでなくとも、川越のお土産屋さんなど、川越市内の色々なところで手に入れることが出来ます。

川越のお土産にするも良し、自分で使うも良し、思い切って川越唐桟の反物から着物を仕立ててみるも良し。

どんな形でも、川越の歴史を、川越唐桟を作って来た人々の歴史を、それらを守り続けている人たちの心を、感じることが出来ると思います。

古き良き小江戸川越の街並みを探索してみませんか?

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