南大塚の餅つき踊り

南大塚の餅つき踊り1月11日(日)、南大塚の西福寺で「餅つき踊り」が開催されました。この餅つき踊りは幕末の安政年間に始まったとされ、埼玉県の無形文化財に指定されています。かつては北足立から入間地方の米作地帯で広く行われた行事だったそうですが、現在は南大塚を含め埼玉県の4箇所ほどで残っているに過ぎないようです。


南大塚の餅つき踊りナラシから始まり、ネリ、ツブシ、6テコ、3テコ、アゲヅキという6つの行程から成っていて、それぞれの歌があり、それに合わせて数名で踊りながら餅をつきます。「1・2・3」と三拍子で杵を振り上げ、ポンポンポンと非常に小気味良い音が境内に響き渡っていました。


引き摺り餅餅つき踊りは4回行われ、4回目には「引き摺り臼」と言って臼を引き摺りながら餅をつき、西福寺からお隣の菅原神社まで運びます。大正時代までは「帯解きの祝い」と言って、長男、長女の7歳の祝いに「餅つき連中」に餅つき踊りを頼み、家から菅原神社まで餅をつきながら臼を引き摺って行ったのだそうです。数年前までは成人式の日に餅つき踊りが行われ、新成人で賑わったようです。


餅をつく子供達お祝いのための餅つき踊りなので、餅をついている方々も大きな掛け声を出し、にこやかに餅をついていらっしゃって、それがとても印象的でした。見ているこちらも楽しくなってきます。子供たちは3拍子のリズムに乗って順番に餅をつくのに悪戦苦闘しているといった感じでしたが、大人たちに混じって慣れない手つきで一生懸命で、とても微笑ましかったです。


餅の振る舞いついたお餅は見物客に配られます。きな粉餅にしてありました。やはりつきたてのお餅は格別で、美味しくいただきました。子供たちも嬉しそうにお餅を頬張り、そこにいる人たちみんなが笑顔になっていて素敵でした。


南大塚の餅つき踊り本当は少し見物したら帰ろうと思っていたのですが、歌のリズムに合わせた餅つき踊りは豪快で楽しくて面白くて、結局最後まで見物してしまいました。規模としてはそれほど大きくないですが、とても素晴らしい行事だと思います。これからも大切に受け継いで、残して行って欲しい伝統芸能だと思いました。

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