すし懐石「てつ」

上福岡にある、「sushiてつ」に行ってきました。
上福岡駅前の大通りから路地に入り、民家の並び。
きっとわからない人はそのまま通り過ぎてしまうような場所にあります。

外観からして寿司屋とはわかりづらい作りになっています。
玄関の扉をあけ一歩中に入ると、白熱球の穏やかな明るい光が射してきます。
テーブル席ももちろんありますが(すべて掘りごたつ式になっています)座ったのはカウンターです。
天然の木の緩やかなカーブが、画一的な毎日の生活を、なんだか癒してくれるような気がします。
それはご主人てつさんの出す料理にも感じることなのです。

まず出てきたのは、アン肝でした。
冬は魚が美味しい季節です。そしてアンコウも最高です。
その肝を蒸して作るアン肝は、その新鮮さと蒸し加減によって味の差が出てくるものですが、
こちらのアン肝は絶品です。すっと箸が通る柔らかさ。
臭さ味など全くなく、酢のきついポン酢などもほとんど必要ありません。
やっぱり初めはビールと思い飲み始めたものの、日本酒が飲みたくて仕方ありません。
早々に日本酒に切り替えることに。旨い~!!!
アン肝と日本酒、なんでこんなに合うんだろうと思わずうなってしまいます。

次は春を感じさせる炊き物です。
冬から春へと季節の移り変わりを感じさせてくれます。
菜の花に、若竹、ゴボウ、ニンジン、信田巻、どれもしっかり出汁がしみていて美味しいのですが、一つ一つ味が違うような気が…
聞けば、それぞれの素材の味を損なわないために、別々に炊いているのだとか。
なるほど、だから一つ一つの素材の味をしっかりかみしめることが出来るんだなと、納得。
そしてご主人のこだわりを感じる一品でした。

そして私の大好きな玉子をいただきました。
寿司屋はそこで焼く玉子で決まる、実はひそかにそう思っています。
玉子が不味ければいくらネタが旨くとも、いい寿司屋とはいえない、
そんなに寿司屋巡りをしているわけではありませんがそう思っているのです(すみません)。
こちらの玉子は、変わり玉子焼きというのでしょうか?
さまざまな具が入っています。
ですが各々が主張することなく、うまく玉子の中でまとまっています。
甘すぎず辛すぎず、一切れ二切れとかじゃなく、こんなにドーンと出してくれて、玉子好きにはたまりません!

お寿司とは関係ないようなお料理のご紹介をしてきましたが、ここはもちろんお寿司屋さんです。
お刺身だってお寿司だってもちろんあります。
お刺身は肉厚で、食べ応えがあり、お寿司もキチンとお仕事がされていると感じさせてくれます。
器はすべて温もりのある和食器で統一されています(もちろんぐい呑みも)。
味わいも盛り付けも繊細かつ大胆で斬新、目でも舌でも楽しめます。
飲むの大好き、食べるの大好きという方にとっては、毎回何が出てくるのか楽しみですし、お寿司だけを食べたいという方にはそれに相応しいちょっとしたお料理とお寿司を用意してくれるお店です。
ネタのケースの並ぶ、ちょっと入りづらくて堅苦しいかな、と思うようなお寿司屋さんとは違って、気軽に足を運べ、ご主人のおやじギャグに心が和む?様な、そしてゆっくりと楽しんで旬の料理やお寿司をいただけるお店です。
どんな方でも、一度訪れてみてほしいお店です。きっと「美味しかったー」と幸せな気分になれるでしょう。

お店データ
住所:埼玉県ふじみ野市上福岡3丁目4-2
TEL:049-264-9990

古き良き小江戸川越の街並みを探索してみませんか?

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