魚家(さかなや)
蔵の町の時の鐘の近くにある「魚家」は、名前の通りお魚料理をコースで楽しめるお店です。表には「魚家」の看板と無地の暖簾しかかかっておらず、一見しただけではお料理屋さんとは分からない佇まいです。店内は右手にお座敷、左手にテーブル席、それぞれ暖簾や仕切りで部屋が個室のように分かれているので、周りを気にせず、ゆっくりと楽しむことが出来ます。昼も夜も完全予約制です。
コースは昼夜同一のメニューで、3,150円、4,200円、5,250円の三種類。お料理の量は一緒ですが、金額によって内容が変わります。休日のお昼、3,150円のコースを頂いてきました。
まずは前菜。四角い大きなガラスの平皿に、金銀の折り紙、その上に5種類の前菜が盛られています。中央のグラスには白魚が、その周りのレンゲには胡麻団子、海老のすり身のお饅頭、大学芋とジャガイモ、ニシン漬け、一口サイズで色々楽しめます。飾りには梅の花が添えられ、季節感も味わえます。
続いてはメイン。お店に入った時にあらかじめ5種類のメニューから選んでおきます。出てきたお皿に全く驚きました。メイン料理だけが出てくるものとばかり思い込んでいたら、それと一緒に沢山のお料理が運ばれてきました。まるで料亭のお膳を頂いているようです。嬉しすぎてどれから手を付けて良いのか分かりません。
カニの頭が丸ごと一つ。カニ味噌たっぷりで身がぎっしり詰まり、これだけでもメイン料理になりそうな感じがしました。最初にカニに手を付けてしまったため、カニに集中してしまいなかなか他の料理に辿り着けません。
貝殻が器になって海老の炊き物があり、二種類の味の洋風海鮮茶碗蒸し、ホタテのほぐし身とブロッコリーの乗ったホワイトソースの中には海老カニを包んだロールキャベツが隠れていました。笹の蓋を開けると、海鮮ちまきでした。何とも盛り沢山な内容です。
ようやく辿り着いたメインの鮪のカルパッチョ。マグロがみずみずしくて美味しかったのですが、こんなに沢山のお料理が並ぶと、メインの存在感が薄れてしまうのが残念で悩ましい。全く贅沢過ぎる悩みです。
他の方はそれぞれ、マグロのカマ焼き、海鮮串揚げのメインを選んでいました。
これがまた美味しそうで、隣の芝生は何とやら・・・でした。
メインを終了し、すでに満腹状態、ウェストがきつい・・・ですがここで終わりではないのです。
まだまだコースは続きます。
お鮨にお味噌汁。写真左から2番目のお鮨は、刺身こんにゃくかと思いきや、魚のコラーゲンなのだそうです。コラーゲンと聞けば食べない訳には行きません。お鮨はご飯が小さくて、これならばすでに様々なお料理で満足しているお腹にも入りそうです。非常にありがたい配慮です。こちらのお鮨も美味しく完食しました。
最後のデザートがまたすごかった。9種類のデザートの盛り合わせです。フルーツあり、シャーベットあり、ケーキあり、どれも一口サイズで色々味わえ、見た目でも楽しめました。さつま芋チップや芋ケンピがさり気なく飾られ、ちょっとしたところに川越らしさが出ているのもにくい演出です。
最初は3,150円からのコースとは少々お高い金額設定だなぁと思っていましたが、出てきたお料理と満足度から考えると全く高くない!お皿も飾り付けもお料理も凝っていて、ちょっとずつ色々なお料理を楽しめて、非常に満足の行く、と言いますか、満足の上を行くコース内容でした。
季節によってメニューが変わるそうです。その季節の3種類のコースをそれぞれ味わってみるもいいと思いますし、季節ごとに伺って、四季を感じながら楽しむのもいいと思います。
予約をするのが少々手間ですが、その手間を掛けても行って良かったと思えるお店だと思います。
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