川越市長選挙公開討論会

1月10日(土)、「川越のまちづくりを考える市民集会」と題して川越青年会議所が主催した川越市長選立候補表明者の公開討論会に行ってきた。
市民からの提案によって作られた「市民マニフェスト」を交えて市長選立候補表明者がパネリストとして討論するというこの公開討論会は、埼玉県では初めての試みで、全国でもまだ数が少ないのだという。

このような試みを実施することは評価できる。だが、実際の討論会の内容には少々がっかりしたというのが正直な感想だ。「討論会」と銘打っていても、「意見交換会」の域を出るものではなかったからだ。

パネリストたちは、ほぼレジュメの棒読み。それは読めばわかる。レジュメの中には書かれていないマニフェストの詳細をこちらは聞きたいのだ。また自分の意見を述べるに留まり、相手の意見と自分の意見の違いを明確にしたり、その違いを、または同じ意見であっても互いの発言時に言及し合うということもない。

川越市にはまちづくりのビジョンがないと言いながら、どちらのビジョンも「安心と安全」。それは住民にとって必要なことだし、道路整備、交通渋滞解消、高齢者や子供、川越市で我々が生きて行く上で重要な事柄で問題なのはわかるが、知りたいのはそれをどのようにして実現させて行くかということなのだが・・・。

今年3月から放映開始された「つばさ」の経済効果についても話が及んだ。
経済効果は220億円と試算されているそうだが、その経済効果をどう活かすかの具体案はほとんど出されていない。

問題と感じたのは、「つばさ」のためにまちづくりを進めようと、目先の期待感だけで動こうとしている感が否めないということ。放映されれば今以上に川越に観光客が訪れることは間違いないだろう。だが、放映が終了したらどうするのか。終わった後でも観光客を変わらず引き付けるための施策が無い限り、一時活気付いて終わるだけではないのか。

必要なのは「持続可能なまちづくり」であると思う。「つばさ」のためでなく、「つばさ」をきっかけにして、その先を見越したもっと大きく具体的なまちづくりのビジョンを提示して欲しい。

川越市は年間予算1,000億円、地方債768億円、平成19年の財政力指数は1.04と地方交付税の交付金なしでもやって行かれる比較的裕福な都市である。何もしなくても観光客が訪れ、黙っていても東京への通勤圏内としてマンションや一戸建て住宅が建つ。そのため市の行政や財政に対して、市政を行う人も我々住民も切迫感が薄いと思う。だが、それに胡坐をかいていたのでは、川越の将来は危うくないか?

記事:堀内

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