3線合同駅構想

古くて新しいテーマ
 3線合同駅構想を考えよう

川越では使えない言葉がある。「駅で待合わせ・・・」は禁句である。あまりにも市内には電車の駅が多くて「○○線の○○駅・・・」と具体的に伝えないと、どこの駅のことやら分からなくなってしまう。

さて、川越市内の駅の数を知ってますか。
現在、市内を走っている鉄道は、東武東上線と西武新宿線、JR川越線(埼京線)。駅は東上線が川越、川越市、新河岸、霞ヶ関、鶴ヶ島(駅舎の一部が川越市)の5駅。西武線が本川越、南大塚の2駅。川越線(埼京線)が川越、南古谷、西川越、的場、笠幡の5駅。
なんと12の駅が存在しているのである。

この事実をみても、埼玉県西部地域にとって川越市がいかに重要拠点であり、中心都市であるかが理解できる。それは所沢市や熊谷市など県内の他市と比べてみれば明確である。

しかし駅の数が多ければ良いというわけではない。核となる総合的な中央駅が存在しないからともいえるだろう。

ところで、川越市の永遠のテーマに3線合同による中央駅構想がある。東上線と西武線、川越線が交差する脇田町と中原町の境界あたりに一大駅舎を建設しよう、という構想である。3線利用者の乗り換えに便利であるだけでなく、周辺地域を含めて商業ゾーンとして再開発しよう、というダイナミックな考えである。

川越商工会議所100周年記念誌によれば、この構想は昭和8年(1933)ごろの国鉄川越線の建設促進運動の時から、すでに提案されていたという。さらに同35年(1960)、川越総合都市計画の策定にあたって再び同様意見が浮上して検討されている。そして同43年(1968)5月の川越商工会議所の部会でも議論され、要望事項の一つとなっている。川越市では、同47年(1972)になって3線連絡にもとづく中心市街地整備と将来構想の調査を全国再開発協会に委託している。

3線合同による中央駅構想は、まさしく古くて新しいテーマなのである。川越市が埼玉西部地域をリードして政令市を目指したり、将来的には一大テーマとなるであろう道州制を思うとき、新時代の顔づくりとして改めて考えてみることの意義は大きいのではないだろうか。

記事:(や)

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