エイ子の編衣(あんぎん)展
越谷市在住の森エイ子さんによる作品展「エイ子の編衣(あんぎん)展」が10月16日(金)からギャラリー蔵乃茶屋かくれんぼで始まりました。(~10月 31日(土)まで)
森さんは、奄美大島のご出身で、大島紬や奄美の草木泥染めの絹糸を使用して、ショールやセーター、帽子、パーティー用ドレスに至るまで、さまざまな服飾品を、編んでいらっしゃいます。
ご自身の生家が大島紬の工場を経営されており、大島紬に親しんできた森さん。その大島紬を織る方が年々少なくなってきたことに憂いを感じ、その糸で何かできないかと、ご自身の得意とする編み物を大島紬の糸で編み始めるようになったのだそうです。
デザインも編み方も、すべて森さんが奄美大島をイメージして考えられたオリジナルです。大島紬の亀甲柄を編み物にも独自の編み方で取り入れられています。
絹100%の大島紬の糸で編まれた作品は、着物の大島紬とはまた違って、非常に柔らかく、滑らかな肌触りで、とても気持ちが良いです。
その光沢感や大島紬独特の草木泥染めの色合いが、優しくナチュラルな印象を受けました。
大島紬は先染めで、本当に気の遠くなるような工程を経て出来上がります。その糸もちょっとしたことで絡まってしまうほど非常に細く繊細で、取り扱いにも大変気を遣うものです。
森さんはその大島紬の繊細な糸をよって編み物に使用します。こちらも根気の要る作業です。
今では奄美大島でも大島紬のことを知らない若い人が増えたのだそうです。そのことをとても残念がっておられました。
「『島唄者』に着てもらいたい」と話される森さんからは、同時に故郷である奄美大島を、大島紬をとても愛していらっしゃることが感じられました。
着物としての大島紬は高価でなかなか手が出ないように感じてしまいますが、森さんの編んだ作品なら、気軽に日常的に取り入れられ、大島紬の良さを実感できると思います。
本当に素敵な作品ばかりです。もちろん販売もされていますが、ご覧になるだけでも、大島紬の素晴らしさを感じられると思います。
森さんはほぼ毎日会場にいらっしゃるということなので、奄美大島や大島紬をよく知らない方でも、わかりやすく説明していただけると思います。ぜひ皆さんにも丹精込めて作られた大島紬の伝統を森さんの作品を通して知っていただきたいです。
「エイ子の編衣(あんぎん)展」
~ギャラリー蔵乃茶屋かくれんぼ~
日時:開催中~10月31日(土)
11:00~17:00(最終日は16:00まで)
※水曜定休日
会場:あとひき煎餅塩野2F
ギャラリー「蔵乃茶屋かくれんぼ」(Google Map)
問い合わせ:TEL 049-222-2794(あとひき煎餅塩野)
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