昔のロマンを古布で

昔のロマンを古布で11月1日(日)より、ギャラリー蔵乃茶屋かくれんぼで、
「昔のロマンを古布で・・吉松紀代子くるみ絵作品展」が始まりました。(11月15日(日)まで)

会場には、なんとも艶やかなくるみ絵の美人画が数多く飾られています。

「くるみ絵」とは、スポンジを付けた型を古布や和紙などで”くるみ”、それを合わせて立体的な絵にしていくというものです。

吉松紀代子くるみ絵作品展

型もそれをくるむ布や紙も切り取るだけで出来る既成の「くるみ絵」キットも出回っていますが、
吉松さんの場合は、「懐月堂安度(がいげつどうあんど)」という浮世絵師の「立姿美人図」をモチーフに、型を作るところから、どの型にどの古布をくるむかまで、
すべてご自分で考えて作られるのだそうです。

海外からの感謝状2002年には海外でも展示され、日本の伝統を海外に伝えることにも貢献されています。

吉松さんが古布に魅了されたのは10年以上前のこと。古布は江戸時代や明治時代に着物として仕立てられていたものです。その端切れの小さな古布に出会い、色や柄の素晴らしさをにとても魅力を感じ、何とかしてその良さを表現できないかと考えたのだそうです。

吉松さんの作品今では端切れとしてしかなかなか手に入れられなくなってしまった江戸時代や明治時代の着物を、「一着の着物として現したい、くるみ絵の作品にすれば着物になる」そんな思いから作品を作り始めたのだそうです。

吉松さんの作品

古布は吉松さんの美人画の作品の中で、見事に一着の着物として蘇っていました。
その作品の細かさはもちろんなのですが、いくつもの古布を用いて一枚の着物に仕立てたとは思えないくらい、絵の中の着物が素晴らしいです。現代にもこんな着物があったら素敵だろうと、着てみたいと思わせてくれます。時を経ても色褪せない古布の素晴らしさが、そこにはありました。

吉松さんが染めた古布顔も吉松さんが・・

古布をまとった美人の顔がまた素敵だったのですが、なんとその顔も吉松さんが書いていらっしゃるのだそうです。

桔梗を見上げる美人画手に入らない色はご自分で染めたりするなど、作品からは吉松さんの古布に対する思いとこだわりがとても伝わってきました。

私が気に入ったのはこちらの美人画です。背景も古布です。美人が桔梗を見上げている感じが旨く表されていますし、こんな風に古布を背景に使って作品に仕上げるなんて素敵だと思いませんか?

吉松紀代子さん「古布の良さを若い人たちにも知って欲しい」と吉松さんは話されます。
吉松さんの作品を拝見していると、古布の良さを十分に知ることが出来ますし、日本にはこんなに素晴らしい伝統や文化があるときっと実感できると思います。

吉松さんの作品

美人画のほか、ちょっと遊び心の入った作品などもありますので、みなさんにもゆっくりとじっくりと吉松さんの古布の世界を味わっていただきたいと思います。

昔のロマンを古布で・・吉松紀代子くるみ絵作品展

「昔のロマンを古布で・・吉松紀代子くるみ絵作品展」

~ギャラリー蔵乃茶屋かくれんぼ~

日時:開催中~11月15日(日)
   11:00~17:00(最終日は16:00まで)
   ※水曜定休日
会場:あとひき煎餅塩野2F
   ギャラリー「蔵乃茶屋かくれんぼ」(Google Map)
問い合わせ:TEL 049-222-2794(あとひき煎餅塩野)

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