松陸製菓
小江戸川越菓子屋横丁は江戸寛政8年(1796)に鈴木藤左衛門が、江戸っ子好みの駄菓子を製造し販売したのが始まりです。その後、数多くの弟子を育て、のれん分けをし、菓子屋を増やしました。この菓子屋横丁の創始者 鈴木藤左衛門の直系である松陸製菓は伝統の技、秘伝の味を今に受け継いでいるそうです。
そんな老舗である松陸製菓の製造現場を取材させて頂きました。
今回作っていたのは黒糖を使った黒糖玉です。まずは、飴の材料を長年使っている年季の入った鍋の中で煮込みます。煮込んだ材料をヘラを使って均等に混ぜ合わせていきます。程よい甘さまで煮込んだら、ステンレスの鉄板に移し、冷やします。すると表面が硬くなり、液体だった材料が徐々に固まっていきます。それをそのまま使うものと、機械にかけるものと2つに分けます。
1つは機械に乗せ、高速回転で飴の材料を伸ばしていきます。次に、そのままにしていた方の材料で、伸ばした材料を包み込み、それを細長く伸ばして一定の長さで切っていきます。そしてその棒状になったものを3本ずつ手動の切断機に入れ、前後に動かすと、まぁるくなった飴が完成します。
松陸製菓の店主は、早くに父上を亡くし、小さい頃からおじいちゃんの飴作りを手伝っていたそうで、学校に行く前にも、学校から帰ってきてからもずっと飴を作っていたので、わざわざ習ったことがないそうです。そしてそうやって長年培われた技と勘で、昔と変わらない味をずっと守ってきたそうです。
取材中に出来立ての飴を試食させてくれました。それはそれは温かくて、口に入れた瞬間に幸せ感が口いっぱいに広がりました。甘さがすっきりしていて、後味もしつこくなくて、とても美味しいです。
松陸製菓には飴以外にも手作りの商品がたくさんあります。
芋ようかん、芋きんつばなど。手作りの商品で1番の自慢はふ菓子棒。2種類の長さがあり、80cmと95cm。95 cmは、長さも味も最高のふ菓子棒。リピーターも多く、おみやげの定番商品にもなっています。以前、あるテレビ番組の依頼でナント!126cmの巨大ふ菓子棒を作ったこともあるそうです。126cm…すごい長さですよね。「ぜひ売り出してください」とお願いをしたのですが、製造する機械に限界があり、残念ながら販売商品に出来ないそうです。今度ぜひ見るだけでも見てみたいものです。
川越のお土産にどれを買ったら良いか迷った時には、菓子屋横丁のまん中にある、昔ながらの土壁が目印の松陸製菓へ行ってみて下さい。種類豊富な商品と伝統の味にきっと皆さんも納得し、買いたかった良い商品が見つかると思います。
この記事に寄せられているコメント
この記事に寄せられているコメントはありません。